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コラム

工業用塗装で“シンナー”が果たす4つの大切な役割

こんにちは。
愛知県春日井市で金属製品の静電塗装・粉体塗装を行っている大野塗装工業株式会社です。

 

今回は、塗装現場では日常的に使用されている「シンナー」について、少し専門的な視点から解説します。

 

一般的に「シンナー=塗料を薄める液」というイメージを持たれがちですが、実際にはそれだけではありません。
塗膜の仕上がり不具合率、さらには生産性にも影響する、非常に重要な役割を担っています。

 

本コラムでは、工業用塗装におけるシンナーの主な役割を4つに分けてご紹介します。

シンナーの主な役割とは?

1. 塗料の粘度を調整し、霧化を安定させる

塗料はそのままでは粘度が高く、スプレーガンでうまく霧化することができません。

 

シンナーを加えて粘度を適正に調整することで、

✓ 霧化が安定する
 吐出ムラが減る
✓ 塗膜が均一に仕上がる

といった効果が得られます。

 

一方で、粘度が適正でない場合には、

・ザラつき
・タレ
・色ムラ
・膜厚不足

といった典型的な塗装不具合の原因となります。

また、日本の気候は、夏は高湿度、冬は乾燥と季節差が大きいため、粘度管理の難易度が変わる点も重要なポイントです。

 

 

 

2. 乾燥スピードと仕上がり(レベリング)をコントロールする

シンナーは、揮発速度の異なる溶剤を組み合わせて作られており、乾燥の速さや肌(レベリング)に大きく影響します。

ここで重要になるのが、「速乾」「遅乾」の使い分けです。

 

速乾シンナー(揮発が早い)

乾燥が早い
・肌が荒れやすい
・冬場の乾燥不足対策として使用されることが多い

低温環境に適しています

 

遅乾シンナー(揮発が遅い)

レベリングが良い
・ツヤが出やすい
・夏場の乾燥しすぎによる肌荒れを防ぐ

高温環境に適しています

 

近年は猛暑日が増えている影響もあり、乾燥が早すぎて肌荒れが発生しやすく、遅乾シンナーの使用頻度が高くなる傾向があります。

 

 

 

3. 塗料の成分を均一に溶かす

塗料には、

・樹脂
・顔料
・添加剤

といったさまざまな成分が含まれています。

 

シンナーはこれらを均一に溶解し、塗料本来の性能を安定して引き出す役割を担います。

 

これにより、

✓ 密着性の安定
✓ 色ムラの防止
✓ 分離やゲル化の防止

といった品質に直結する効果が得られます。

 

 

 

4. 洗浄・設備メンテナンスに使用される

シンナーは塗装時だけでなく、設備の洗浄にも欠かせない存在です。

 

・スプレーガンの洗浄
・ホースやカップの洗浄
・治具のクリーニング

などに使用され、設備の正常な状態を維持します。

 

なお、洗浄用シンナーは、塗料に混ぜる希釈用シンナーとは用途が異なるため、種類も明確に区別されています。

 

適切な洗浄を行うことで、

✓ ガン詰まりの防止
✓ 色混ざりの防止
✓ 異物混入リスクの低減

につながり、仕上がりの安定性を大きく向上させます。

 

 

 

まとめ|シンナーは“薄め液”ではなく“品質調整剤”

シンナーは単なる希釈剤ではなく、塗料の性能を最大限に引き出すための重要な「品質調整剤」です。

 

適切な種類と使用量を選定することで、

✓ 仕上がり品質の向上
✓ 不具合率の低減

に大きく貢献します。

 

塗装仕様や材料選定についてお悩みの際は、ぜひお気軽にご相談ください。

 

 

 

 

 

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